気付けばまたまたえらい放置状態でした・・・

前回長女の学校の宿題について書きましたが、やはり、とは言うものの、私も一応英語講師の端くれ。あの問題が気になるわけです。

1. People rushed toward the river Trent (   ) the fire was out of control.
2. Alan fell asleep on the settee (   ) he was so tired.
3. Precious gobbled her food (   ) she saw the cat coming.

で、困った時のなんちゃらで、いつもお世話になってる長女のクラスの中心的女の子のママに聞くわけです。

ママ曰く、

「私が思うに、(あ、娘も同意見やねんけど)これは全部becauseが正解やな。ま最後の問題はwhenでもいけるかもしれへんけど、ま、でもbecauseの方がbetterやな」と。

なんじゃそりゃ~!!!!全部because!?

もはや、反則ワザですよね、これ。何のひねりもない問題3連発って・・・。ただ、このママの娘さんはクラスでも非常に優秀な女の子らしく、長女は、あの子が言ってるんやったらそれが正解なんちゃうん?と。(-_-;)

まぁこのママ&娘コンビの主張は、全て理由を表す接続詞を入れるのが一番自然やから当然becauseでええやろ、と。

まぁその点は分かったとして、ほなsinceは?となったのですが、ママ曰く、うちらはsinceをbecauseの意味ではあまり使わん、と。もちろん、これをsinceにしたとして意味は当然わかるが、sinceというとどうしても「~以来」の方を連想するわ、と、なんか日本人英語学習者としてはイマヒトツしっくりこん説明を受けるわけです。

せっかく教えてもらったもののモヤモヤ感は消えないので、別の人に同じ質問を、ということで今度は同じブリストル大学に通うイギリス人学生に聞いてみたわけです。曰く、

1. People rushed toward the river Trent ( as ) the fire was out of control.

2. Alan fell asleep on the settee ( because ) he was so tired.

3. Precious gobbled her food ( when ) she saw the cat coming. や、と。(-_-;)

先ほどのママ&娘コンビの主張とはまた違ってくるわけです・・・。というか、この3問で全て接続詞を変えてきたわけですが、その理由がさっぱりわからんので聞いてみると・・・

「まぁ、この問題はちょっと難しいわ・・・特に1問目と2問目でなぜそれを選んだか説明するんが・・・ていうか、基本的にbecause, as, since, whenどれでも行けるんとちゃう?」と軽く流した上で、

「最後の問題は、Preciousがその猫が自分の食べ物を食べると分ったんやとするとbecauseでもええかな?」と。

やっぱりイマヒトツようわからんので、1番はなぜasなん?と。。。なぜbecauseやったらあかんの?と聞くと、

「もちろん、becauseでもええで。でも自分はasの方が好きやな。このシチュエーションで使うんやったらasの方がより一般的やと思う」

と、これまたこのイギリス人にしか聞いてなかったら「そうなんや!」と丸め込められそうになる回答なのですが、その前にママ&娘コンビに聞いているので、それってかなり主観的なもんとちゃうんか??という疑問がふつふつとわいてくるわけです。

セカンドオピニオンを求めたところ余計に話がややこしくなってきたので、それならば餅は餅屋ということでUKのセカンダリースクールで英語教師をしている女性にとどめを刺してもらおうと思い聞いてみたところ、

「これまたややこしい宿題やな!の一言から始まって、まぁ1と2は because か as やな、と。3は when かあるいは because でもいけるな」と・・・(-_-;)

もうどないにでもしてくれ状態で「WHY」を連発したところ、

「だいたいこんな何の文脈もなく、ただ一文だけを見せて何が入るか選ばせるような問題を小学生にやらせるなんて非常識や!」といきなりキレ気味に学校の宿題批判を始めはるわけです・・・同じ公立学校の先生が。。。

返す刀で

「文脈がないねんから、答えは必ずしも一つとは限らんということや。私やったらあんたの娘に両方とも解答として書かせるわ」と。

私の脳ミソが日本の教育に毒されてるせいか、試験に絡む宿題で、しかも選択問題で、「複数解あり」という発想にはどうしてもなりませんでした・・・。でも、まぁこの教師の話を聞けば聞くほど、そらそうやわな・・・と。ある意味それまでモヤモヤしていた所も納得できるわけです。

ついでに、一発目のママ&娘にも聞いた質問をこの先生にもということで、

「仰るように文脈がなく、because と as が正解になるということは since もOKってこと?」と尋ねると

「あんたの言わんとすることはわかる。あんたが日本で学んだ英文法は何も間違ってない」と断った上で、件のママと同様に

「でも、やっぱりうちらは since は使わんな。なんか変な感じやわ。since はやっぱり、I haven’t eaten chocolate since last Thursday.みたいな感じで使うんが普通や」と。

変な感じと言われてもどんな感じなのかが私、ネイティヴジャパニーズには理解不能ですので、もう少し粘ると、

「いや、もしあんたが仮にこの文脈で since を使ったとして、誰もそれを訂正することはないと思うで。意味はちゃんと通じるから。でも、やっぱり、これはうちらにはしっくりこーへんねん。たいていのイギリス人はこの文脈で since を使わんやろな。多分思うねんけど、この使い方アメリカ英語にかなり影響されてんのとちゃう?」

それか・・・(-_-;)。

結局のところ、米語と英語の違いやったんですかね。そうならそうともっと早く言ってよね、と思うのですが、案外イギリス人はそこまで英語・米語と常に意識してるわけじゃないんですかね。そうではなく、ただなんとなくうちらは使わん、みたいな・・・。

ここからの教訓を一つ。

日本人が「ネイティブに聞いたけど、こんな言い方なんかせんって言ってた」というフレーズを口にする時は要注意。

3人ネイティブに聞いて、三者三様の答えを見るにつけ、

「ネイティヴに確認したけど」

「帰国子女の子に聞いてみたけど」

「アメリカに留学してた人が言ってたけど」etc…

これ全部日本では水戸黄門の印籠の如く威力を発揮しますが、何の根拠もない(可能性もある)ということがこれでよくわかりました。