以前こちらの記事で書いたのですが、最初からローカルのネイティヴ・イングリッシュスピーカーに囲まれて学校生活を送って来た5年生の長男とは対照的に、幸か不幸か、新年度よりハンガリーからやって来た英語力がだいたい同じくらいの双子と仲良くなった長女は、専ら語学力の等しいその双子の姉妹とばかり仲良くつるんでいたのですが、この双子ちゃんが昨年のクリスマスを前に本国へ帰国していったわけです。

その直前に個人懇談があり、担任の先生に「そのことが若干不安です」と伝えると、先生も同じ懸念を示されたわけです。

「早くクラスのみんなと打ち解けるとええねんけどね・・・」と。

その懸念が新年明けての新学期早々、ドンピシャとなるわけです。

精神年齢の低い男子とは異なり、しかも小6ともなると女子特有のグループで固まるあれですよね(-_-;)。

今まで(現地の子供たちから見たら)異邦人同士でつるんでいたジャパニーズがある日突然一人になりよったわけです。もちろん言葉の壁が一番大きく、最高学年にもなって且つ、女の子ともなると校庭で走り回って遊ぶというよりは色々と話をすることが多いそうで、英語のわからん長女からしたらその場におってもなんもおもろないわけです。そんな訳で、クラスの女子とはつるまず、1つ下の学年の長男の友達グループに昼休みは入れてもらったり(そんなわけで小5の女子とは仲良くなってるらしい)、最高学年の小6にのみ許可される低学年の面倒を見る(というか長女の場合、逆にその低学年の子たちに遊んでもらっている)という活動が週1であるのですが、それに行ったりと、完全にクラスの女子からハミりまくってるわけです。

クラスの女子からしたら「なんなんあのアジア人?」ってな感じでしょう。

英語も喋らず、こちらの言ってることも恐らく理解してなさそうで、昼休みになったらいつも違う学年の子たちかあるいは、同学年であれば唯一隣のクラスにいるセネガル人の女子と一緒にいるか、そうでなければ一人でいることが多い異邦人にあまり関心は向かないわけです。

且つ、この学校では、お弁当を持参している「小6生」のみ屋外で食べないといけないというイマヒトツよくわからん規則があるのですが、そんなため、毎日弁当を持参している長女は一人で食べる場所を探して(たいがい校庭のベンチとか通路沿いの窓枠に腰かけてとからしい)食べるそうなのですが、たまにそこへクラスメイトの女子たちがやってくるそうで、一足先にスペースを確保している長女に気づくや「あ、アジア人が先に座っとるわ。どうする?」みたいな目でお互いにようわからん雰囲気で暗黙のキャッチボールをやりよるらしいのです。で「ま、アジア人おるけどかまへんか」となって同じ場所に座ることもあるそうなのですが、その瞬間から長女の存在は一切無視。彼女らにとって、長女は完全に風景の一部と化しているそうなのですが、長女は長女でそんなことは意に介さず弁当を食べ終えたらサッサとその場を後にし、一人、校庭を散歩したりして時間をつぶすらしいのです(昼休み時間は教室に入れないため)。

「学校で何が嫌かって、昼休み長いん嫌や。暇でしゃあない」と、もはや普通の小学生が吐くとは思えんセリフを口にしたり「たまにあまりにも辛いことがあって泣きそうになったらトイレに行って泣いてんねん」とか淡々と毎日報告してくれながらも、もはや「学校行きたない」とも言わずに黙々と毎日学校に行く(多分言うても無駄やとあきらめてる?(-_-;))姿を見てると、流石に自他ともに認めるジコチューの私でもかな~り罪悪感に苛まされるわけです。親心としては、これで「行きたないわ~!!!」とか泣きわめいてくれたりした方がまだ心理的にはマシなのかもしれません…。ただ、とはいうものの「ほな、学校休むか?」とも言えんわけで、「とりあえず聞かんかったことにしとこ」と私は私で自分に対してだましだましやってきてたわけです(-_-;)←ひどい親や。

そんな毎日を過ごしつつ今学期もそろそろ終わりが見えて来た頃に、学校側からいわゆる「自然学校」に行くかどうか?という確認書を提出するよう言われるわけです。日本の修学旅行のように積立ではなく、行くんやったらまず手付金として50ポンド払うてや、と。で、そのあと追って200ポンド納めてね、みたいな通知書が来るのですが、長女は、こういった学校行事が大好きやったにも関わらず「行かん」と。「行ってもどうせ一人やし、おもんない」と。「そらそうやろ」と思うと同時に、キャンプなので、言葉があまり通じない中で友達からも構ってもらえないと万が一の時とか大丈夫やろか?という不安もあり、「ほな行かんとくか」となりかけたのですが、そこで「待った!」をかけたのが嫁やったわけです。「行ったらええやん」と。このあたりは流石にお腹痛めて産んでるだけありまして、長女の言葉に何がしかの迷いを読み取ったのかもしれませんが、「ホンマに行かんで後悔せえへんのか?」と。「長男が一足先に自然学校行った際にはあんなに羨ましがっとたやん」と。「友達おらんでも楽しいイベントいっぱいありそうやん」と。で、この迫力で詰め寄られた長女は再度迷いはじめよったわけです。私の中では既に「行かん」で決着がついていたのですが。。。。恐るべし嫁。。。

で、嫁のツッコミのおかげで長女に迷いがあるのがわかったので、今度は私も「行く」前提でプッシュすると「ほな行ってみよかな・・・」と。ただ、とは言うものの、ホンマにどこ連れて行かれるかもわからんし、言葉もわからん、ハミりまくってる状態で行かせて大丈夫やろか?という一抹の不安はぬぐいきれなかったわけです。

そんなある日、一通のメールが。

送り主は同じクラスメートの女の子のお母さんで、このお母さんのみ、クラスメイトの保護者の中では唯一学校の行き帰りの道中で挨拶をする仲ではあったのですが、残念ながら子供同士はそない仲の良い関係でもなく、ただ同じクラスメイトであるだけやったわけです。(恐らくこのお母さんが日本文化や日本という国に非常に興味があったんとちゃうかと今になると思うわけですが・・・)

メールを見ると、今度長女をうちに遊びに来させへん?と。よかったら夕ご飯も食べてったら?と。ケーキとか作ろうかと思うてるし、と。

長女にとってはこちらに来て初のお誘いやったわけです。

ただ、その意図がイマヒトツ汲み取れない我が家では、こんなメール来たで、と伝えると、嫁も長女も「なんでやろ?」と意味不明な反応をしよるわけです。

で、長女に確認すると「う~ん、どうしよう・・・」と。

聞くと、そのクラスメイトはクラスでも中心的存在で、かなり大きなグループに属しているらしく、そのグループの子達とは全く絡みがない、と。いつも仲間内で話ばっかりしていて、一緒に遊ぶこともない、と。お呼ばれに行っても、多分友達同士で話ばかりしていて、自分はどうせハミルだけやろ、と。

そこで、そのお母さんに感謝の意を伝えると同時に「知ってるかどうか知らんけど、家の子、学校でハミってますねん」と。「お呼ばれしてめっちゃ喜んでるんですけど、言葉通じないんで、他のお友達にも迷惑かけるんちゃうやろか?」と。ま、迷惑かけるまで行かんでも「ウチの子いることで他の子らが気遣って、楽しめんのとちゃうやろか?」と送り返すと「招待してるのはあんたんとこの長女だけや」と。「ケーキ一緒に作ったりするし、言葉通じんでもそれなりに楽しめるやろ?」と。

もう涙がちょちょぎれる返信やったわけです。もう、このタイミング逃したらアカンと思い、最大限の感謝と共に「是非お邪魔します!」という旨を伝えると同時に、ハンガリーの双子が帰国して以来学校でハミリまくってること、クラスメイトと友達になりたいけど、言葉が通じないのでどうやって友達になったらええのかがわからんこと、そんな訳で、今度のキャンプも行こうかどうか迷ってることなどをワラにもすがる思いで書いて送ったところ、「大丈夫や」と。「キャンプも絶対参加し」と。「とりあえず今度家来るの楽しみにしてるで」と。

で、その翌日から、この女の子が長女をグループに入れて何かにつけて気をかけてくれるようになったわけです。長いトンネルの出口がようやく見えた瞬間なのでありました…(-_-;)