日本人観光客のおばちゃんが、イギリスで「ろんどん」と言って通じんかったという話を昔何かで聞いたことがあるのですが、その時は

なわけないやろ(-_-)

と思いっきり突っ込んでたのですが、まぁこの手のジャパニーズイングリッシュ特有の通じる・通じんということについて・・・。

こちらに来て実際生活をしてみて、発音が通じないという経験は、まぁ自分が当初思っていたのと比べると少ない気がします。これはいろんな所でも書かれていますが、基本的に何かモゴモゴ言って、相手から「ソーリー?」と聞き返される時の十中七八は声の小ささとちゃうか?と思うわけです。というか、普通の観光客が現地人とどこかの密室で二人きりで話すというシチュエーションこそが異様で、普通に考えたらその会話がなされる場所は街中でしょう。とりあえず騒音と雑音で声が聞き取りづらいわけです。で、日本語は腹式呼吸で話す言語ではないので、日本人が英語を話す時(僕もですが)ついつい肺式呼吸(とか言うんですかね)で喉からだけで声を出すので届かない、と。。。あ、レストランでエクスキューズミーと言ってシカトされた経験値は豊富です(-_-;)。

脱線しました。ですので街中で何か聞く時は、基本的に大声で伝えればまぁそんなに伝わらんことはないのではなかろうか、と。冒頭のおばちゃんもどういう文脈で「ろんどん」を口にしたのかわかりませんが、まぁ最悪「ろんどん!ろんどん!える!おー!えぬ!でぃー・・・」とかやれば、相手もわかるんとちゃうのかな?と。

日本人は得てしてジャパニーズイングリッシュに手厳しい所があるように思いますが、なまりはどこの人にもありますし、それを完全に消し去るのは(一定年齢を超えると)なかなか困難なことではないのかなとも思うわけです。因みになまりと言えばアラブ人もたいがいやと思うのです。友人のサウジアラビア人(IELTSのスピーキング7.0)がStudy hardを「スタディ・ハルド!」8:30を「エイト・セルティ!」とデカイ声で発音しているのを見るにつけ、セルティで数字通じてんねやから大丈夫やろ、と逆に励まされたりもするわけです。

では、こちらに来て発音で困ったことはないのか?

もちろんあるわけです。しかも最も正確に発音しないといけない単語が恐らく致命的に間違っているため、一度も一発で正しく理解されたことのない単語が。。。それは何か。

我が家族寮の住所です。

うちの寮は大学のキャンパスのど真ん中を走る道沿いにあり、その道路の名前がWoodland Roadという訳です。もちろん私も英語講師の端くれ。「うっどらんどろーど」みたいなベタな発音ではなく「ウッドランドロード」とそれっぽく発音するわけです。が、見事に通じません。見事にです。大学のアコモデーションオフィスのおばちゃんですら、一瞬フリーズし、二回発音した後、私の発音の音的に似ているものを彼女の頭の中にある家族寮リストと照らし合わせているのが手に取るようにわかり、三度目ぐらいで彼女の脳内検索エンジンにヒットするわけです。以前、Woodland Roadの近くの建物に勤務するイギリス人のパパ友に「どこ住んでるん?」と聞かれて「ウッドランドロード」と答えた際に、笑顔で「オーケー」みたいなことを答えてたのですが、あれ、間違いなく、通じていない時の返答例なわけです。明らかに自分の勤務場所の目の前にある道沿いに住んでるわけですから、ま、普通に考えて「あ、あそこ住んでるん?近いしええなぁ!」みたいな反応が普通でしょう。

全然オーケーちゃうし(-_-)

何があかんねやろ?と毎回発音の品種改良をするのですが、未だ成功体験ゼロ。誰かに特訓してもらうかなと思いつつズルズル来ているわけです。

さて、住所以外でもう一つ通じない発音。それが、なんとアルファベットです・・・(-_-;)

いや、もちろん通じますよ。最終的には。。。ただ、聞き返されることがやたらと多かったわけです。これも少し考えたらわかるのですが、日常会話でアルファベットを使う時、それはすなわち己の名前を伝える時です。そして、基本的に己の名前を伝える時は私の場合、圧倒的に電話なわけです。且つ東洋人であるため、名前の音声から瞬時に相手が無意識にスペルをイメージしにくいわけです。よって、一音一音正確に聞き取ろうとしてくれているのでしょうが、電話ということで心理状態が不安定な中でアルファベットを発音させられると意外に基本ができなかったりするということがこの経験でよくわかるわけです。ま、流石に最近はアルファベットで聞き返されることも少なくなりましたが、渡英当初、不動産屋に電話をかけまくってた時はやたらと名前を聞き返され、スペルの確認までさせられたことあります。

私 「My name is NORY… エヌ・オー・・・」

相手「ウェイウェイ、N or M?」

私 「あ~、エヌ」

相手「N for noon?」

みたいな(-_-;)

ま、こういう洗礼を一つ一つ受けて鍛えられて行くんでしょうかね・・・。

最後に、ブリストル大学で理系のPhDに在籍されている日本人仲間から教えてもらった、iPhoneのSiriを使った遊びを一つ。iPhoneのSiri機能をオンにして、且つ英語モードにしてiPhoneに向かって「rule」と発音してみてください。一発でSiriから正しく「rule」で識別されたあなたはLとRの達人です(笑)。中国人はなんなくクリアしていましたが。