イギリスのスーパーで買い物をすると、毎回「袋いるか?」と聞かれます。

カートを引いていく時(こちらではビールは、ある程度までは大量に買えば買うほど単価が安くなるので、ビール購入予定時はカートが必須です。。。因みに500ml缶1本で普通は180円ぐらいするのが約100円ぐらいにまで下がります)はもちろん断るのですが、普段はそのレジ袋を貰うわけです。

で、このレジ袋、ホンマ、レジ袋としての機能しか果たしよらんわけです。すなわち、スーパーから自宅まで商品を運搬するためだけのもの、という。。。しかも、かなり薄くて、従ってつくりも非常に弱く、ある一定以上の重量となると破れる、または取っ手がちぎれるというシャレにならないオチがついてくるので、だいたい塩梅をみて、レジ袋を二重にするか、ある程度小分けにするかして持って帰るわけです。

で、このレジ袋、誠に残念ながら以上の機能のみが己の存在意義、すなわちraison d’etreとなるわけです。どういうことか?例えば日本のレジ袋だったら色々と再利用ができますよね??もちろん、こちらのレジ袋も再利用はできるのでしょうが、その利用範囲が極度に狭いわけです。何故か?それは・・・

穴が開いてるからです。しかも何か所も…(-_-;)

以前のブログで、イギリスの台所の蛇口がなぜ2つあるのかという記事を書きましたが、果たしてここでも素朴に思うわけです。

なぜ、穴をあける?

もしかすると、これは私の発想の貧困さに起因するのかもしれませんが、穴のあいたレジ袋となった瞬間に私の中でレジ袋の利用価値は一気に下がるわけです。

第一、穴あきレジ袋では水分を含むものを入れることができません。まだ渡英して間もなくの頃、pre-sessional courseの仲間達と屋外で飲み会をしたのですが、その中の一人が気分が悪くなったので、条件反射的にレジ袋を差し出したのですが、その瞬間、そのレジ袋に穴があいていることを思い出し、タッチの差でたまたまそばにあった穴の開いてない袋を下から受けて間一髪セーフということがありました。あれ、気付くの遅かったら二次災害引き起こしてましたね…(-_-;)

と、まぁここまで書き進めてきたのですが、ふと今頭をよぎったのが、もしかしたらこれはイギリス特有というのではなく、むしろ日本のレジ袋の方が特殊なのか????ということです。イギリス人からしたら「なんで、たかがレジ袋一枚にそない執念燃やすねん?」的な…(-_-;)。

因みに、買い物関連の話で、もう一つ。

イギリス人には「お客様は神様です」みたいな発想はこれーーーーーーぽっちも、微塵もありません。断じてない!!もちろん言ったことはないですが、試しに彼らに「お客様は神様ですよ」みたいなことを言ったが最後「あ、こいつちょっとイタイ」みたいな顔をされるのがオチなのでしょう。左様なまでにここ英国において、客と店員はフィフティ・フィフティなのであります。「これ欲しいんやろ?ほな売ったるわ」ってな感じですかね。客は客で「あ、おおきに」ってな感じでしょう。先日、センターにあるお店に耳当てを買い求めに出かけたのですが、店内に見当たらず、店員に「耳当てあるか?」と聞くと「ない」と自信満々に即答。その数秒後に、嫁がすぐそばに耳当てがあるのを発見。It’s a British style.

も一つ思い出しました。Air Mailで日本に送った手紙がそのまま翌日我が家に舞い戻って来たので、同じくセンターにある郵便局で「何でですか?」と尋ねると、またしてもそこの店員の兄ちゃんは「ああ、それ宛名を英語で書いてないからや」と自信満々に即答。「宛名を英語で」って日本に住む友人の住所を英語で書く必要どこにあんねん?!と。「Air Mail, Japan-Hyogo」って書いてるんやからその段階で、この封書をJapanのHyogoまで送り出してくれたらええだけやん!と心の中で突っ込みつつ「どうすればいいか?」と嫁が聞くと「宛名を英語で書け」とこれまた自信満々に即答しよるので、すかさず「この書き方で数十枚送ったけど舞い戻って来たんはこれだけや」と突っ込むと「え、マジで?」とここで初めて思考停止となったからか、この兄ちゃん、意味不明なジェスチャーで「わからん」をアピールしよるわけです。とりあえずこの兄ちゃんでは埒あかんと判断し、窓口に移動しようとすると年配の女性が「どうしたん」と聞いてきたので、同じ説明を繰り返すと「ちょっと待ってて」と言ってその封書を窓口へ持っていき、「なにかの間違えのようだったわ。こちらで再送しておきます」と非常に納得のいく回答を。かくして、再度英語で宛名を書き直す必要もなかったわけですが、これぞまさしくIt’s a British Style.

レジ打ちが接客中に座りながらとかガム食べながらとかも普通で、携帯で話しながらとか友人と談笑しながらレジ打ちするとかも結構目にする光景です。その都度「お前レジ打ち間違えんなよ」と思うわけですが。。。因みに、このレジ係が笑顔で「Thank you」と言ってくれる日などは、なかなか気分良く一日が過ごせるわけです。ま、この私のハードルの下がり様は「慣れ」ではなく明らかに「麻痺」ですよね。それほどまでに、会計時に「Thank you」言わん店員が結構おるわけです。会計済ませたら「ほい、次!カモン」みたいな。わしらは犬か?「Thank you」言うたら何か損するとでも思うてるんやろか?

あと、これはイギリスに限らず、国際線の空港で入国間もない外国人を相手にやる不届きなタクシードライバーもいるそうですが、レジでつり銭をわざと間違える、とか。以前、嫁がこれに遇いまして「つり銭まちごーてるで」と指摘したらやたらと挙動不審になって謝ってきたらしく、そのあまりの挙動不審振りに「あ、こいつやりおったな」と直感でわかったらしいのですが(第一、レジでバーコード使って計算してるのに、どないしたらつり銭間違うねん…(-_-;))ま、海外では「騙す方も騙される方も悪い」という日本では明らかに意味不明な不文律もあるくらいなので、ここら辺は自己防衛しかないかな、と。

と、まぁここまではボロクソ書きましたが、実は、日本の過剰とまで言える「お客様は神様です」的雰囲気にも当方、何気に食傷気味でして(もともとの精神自体は崇高なところから出てきたのでしょうが、実際のところは、店員の搾取の上で成り立つ傾向に陥りがちのような…そして、明らかに大概のケースでWin-Winの関係ではないような…気のせいですかね(笑))、内心イギリスのこのカラッとした何も考えとらんとこ丸出しの接客態度が実はそない不快でなかったりもするわけです。