(※この記事は、もともと2013年7月3日段階で書いた記事に加筆修正を加えてものです。)
一応、現段階ではIELTSの4つのパートの中ではReadingがもっともましな部類に属してます(Band7.5)。実は、Readingに関しては何もIELTSに限らず、日本人に結構はびこっている神話があるように思います。これを私はTOEIC受験対策の時に気付いたのですが・・・
その名も 「速読」 神話・・・
膨大な文章を読むために速読力を上げないといけない!と。
こういう強迫観念めいた神話が日本人英語学習者には結構多いのではないかと思ってます。現に私の周りの大学生なんかも、頻繁に「速読」という言葉を口にしますし。。。
結論から言うと、私は 「速読」 よりも 「精読」 の方が大事なのではないか?!と思ってます。
TOEIC受験対策の時も 「速読」 から 「精読」 に切り替えてからReadingパートは高得点で安定するようになりましたし・・・。って話をすると、たいてい、皆さん、「え? どういうこと??」って反応をされるんですが(笑)。
誤解の無いよう、先に断わっておきますが、何も「ゆっくり読みましょう!」と言ってるわけではありません。ご存じの通り、IELTSのReadingは大問1題に割り当てられる時間が最大20分。しかもパッセージ1→3になるにつれて難易度も上がる「傾向」にあります。1題でおおよそ700 words~1000 wordsの英文を読み、13題または14題の設問に答える形式です。当然ながら時間との勝負に変わりはないわけです。
ところが・・・
IELTSの試験(ま、TOEICとかでもいいんですが)を受けられた方はある程度鮮明にイメージできると思うのですが、時間制限があって、「本番」という独特のストレスフルな状況で、焦りながら速読をするとどうなるか??
そうなんです。読むスピードは無茶苦茶速くなるのですが、ほとんど中身が頭に入ってこないんですよね。つまり、速く読むものの、途中で全く頭に入っていないことに気付き、ある程度前に戻って読み直しをせざるを得ない状況に追い込まれてしまう。もちろん、読み直しをすることになってしまった精神的ダメージも付加されるので、読み直しの段階ではさらにストレスフルな状況になるというまさに「負の連鎖」に巻き込まれてしまうわけです。こうなると先に待っているものは「パニック」と「the END」ですよね。
で、思考を一度リセットしてみましょう、と。
私がいつも思うのは、IELTSのReadingにせよ、TOEICのReadingにせよ、時間を食うのは実は「設問」だと思うのです。Readig段階でしっかりと内容が頭に入っていれば設問を解く際に瞬時に答えを出していけます。このパターンで1パッセージを解けた時というのはだいたい所要時間が17~18分あたりで収まります。無茶苦茶時間短縮になるわけではないものの、それは読解に時間を割いているためでありそこはある程度仕方ないと思います。
むしろ、大切なのはこのペースでパッセージ3まで行った際に少なくとも余剰時間が3分~5分近くある(かもしれない)という心の余裕です。最悪、余剰時間がなくても最後の問題を20分、全く欠けることなく割り当てられるというのは平常時では少し想像しにくい心の余裕を生みます。(いまひとつわかりにくければ一番難易度が上がる可能性のある最後のパッセージを残り時間20分切った状態で解くシチュエーションをイメージしてもらえれば、その絶望感がある程度わかると思います)。この「心の余裕」こそが本番で平常時通りスコアを出す秘訣なのではないか?と最近痛感します。
日本人の平均英文読書スピードは1分間で100 words以下と言われています。一方英米人のそれは平均200~250 wordsあたりと。仮に、1分間80 wordsで読んだとして、700 wordsの英文で約9分、1000 wordsの英文で約12.5分です。これくらいの時間を読解に充てる代わりに内容把握にかなりのパワーをかける。そうやって内容を頭に叩き込みながら設問を解いていくと、設問で迷う頻度が激減します。つまり読み直しがなくなり、タイムロスがなくなります。
そして、大事なのは、これは私も自分で実験してみたのですが、このペースで解いてみてもやはり解答に迷う問題というのは、それ以上時間をかけてもやはり迷う「難問」に分類されるものであり、いわゆる「捨て問」と割り切ってもそれほど普段のスコアに影響されないということです。大切なのは、「この時間をかけても解けない」問題に時間を割くのではなく、「この時間をかければ確実に解ける」問題を増やしていくことです。
まずは1分間に80 wordsのスピードで内容を正確に読めるレベルにまでは読解力を鍛えていくことが先決かもしれません。またこのテーマはおいおい扱いたいと思います。
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