私はIELTSを通算6回受けましたが、Readingは2回目の7.0を除いて、常に7.5でした。
結局いい意味でも悪い意味でも変動せず、それよりも課題満載の他の3領域に時間と労力を取られていたため、自分のReadingスキルを振り返る時間が日本にいた時はあまりありませんでした。
いや、むしろ、ま、Readingはイケてるかな??とすら思っていたかもしれません。。。イ、イタイ・・・(-_-;)
ただ、これは私に限らず、ある程度日本人全般に共通する部分ではないかと思うのですが、意外にこれが思い込みであったと気付いたのはPre-sessional Courseが始まってからだったのです。
その思い込みに気付かせてくれたのは、やっぱり我が愛すべきチャイニーズ達なのでありました。
結論から言うと、彼らが弾丸のように話すことは既に書きましたが、なぜか彼らは読むのも異常に速いのであります。コース開始当初、馬の医者を目指している中国人の友人との会話の中で、中国人にとって英語のどの領域が苦手か?という話になった際に、苦手なのはWriting、得意なのはReadingと話してくれたのですが、それを聞いたときに、苦手分野はともかく、得意分野は日本人と同じやな・・・と内心思っていたのですが、多分、チャイニーズの読解の方が上のような気がします。。。もちろんこれは非常に限定されたサンプルしかないので、今後の私の研究課題でもあるわけですが。
Pre-sessional courseのカリキュラムの中でもとりわけ力を入れているのがacademic writingなのですがそれと連動する形でacademic readingの授業も結構濃密な内容になっています。で、このreadingの授業の中でよく先生が強調するのが”skimming”です。当たり前なのですが、こちらの授業中に英文を読ませる場合、日本の学校の典型的な英語の授業みたいに英文を和訳して終わりというようなことは決してなく、その英文を読ませたうえでその内容から学ぶべきことやその英文から自分のwritingに参考にできそうなことなど色々と授業が進んでいくので、教師としては極力速く英文を読んで概要を頭に入れて欲しいわけです。で、出てくるのが件の”skimming”なわけです。よく口癖のように”skim skim skim!”と叫んでます。
わたくし、恥ずかしながら、実はこのスキミングとかスキャニングとか、日本在住の頃はいわゆる「テクニック」の一つと完全に軽視しておりまして、本当に読解力があればそんな小手先の技術がなくとも高得点は可能と思っていたのですが、なんともはや、こちらに来てからこのテクニックを要求される羽目となり、結構四苦八苦しております。
で、クラスのチャイニーズ達なのですが、彼らはこれを普通に身につけておりまして、さも大人がチャリンコを難なく乗りこなすがごとく、さらっとやってのけるわけであります。当初、スキミングがいまひとつわからなかった私は全文を猛スピードで読もうとしていたのですが、「猛スピード」で読むわけなので、当然理解度が格段に下がります。しかもそうやって読んでいるのに、それも読み終わらないうちにチャイニーズ達は読み終えており、人口比率が高いチャイニーズ達が読み終えて暇そうな顔をするので先生も「OK?」と一声かけて、授業が進むわけです。で、こちらとしては、最後まで読み終わってないわ、理解度も格段に下がったため内容把握もおぼつかないわ、という状況で授業が進むので、先生から何かを聞かれてもまともな解答ができません。Pre-sessional course開始当初は、リスニング・スピーキングに加えて結構自信のあったリーディングまで差をつけられた感じがしまして、相当凹んだ覚えがあります。
なぜ、チャイニーズ達はこれほどいとも簡単にスキミングができるのか?
疑問に思ったので、クラスメートの馬の医者に聞いてみると「中国人はこれを小学校の頃から叩き込まれてるから」とのことでした。マジで!?(-_-;)
つまり母国語でスキミングをやりまくってるわけです。よってそれが英語になったところで基本は同じと言ってました。念の為、彼にスキミングに当たる中国語があるのか?と尋ねると、もちろん「YES」とのこと。一方、ご存知の通り日本語にはスキミングに該当する日本語は(無理矢理和訳して当てはめればあるのでしょうが)市民権を得るレベルでは存在しません。もちろん、日本の国語の授業でスキミングを身につけさせるような授業もありません。
加えて、文中で知らない単語が出てきた際に文脈から意味を憶測する力も母国語で鍛えられているらしく、私のクラスの中国人は総じて英語のボキャブラリーはそこまで高くない(少なくとも私よりは少ない)と思うのですが、リーディングのスコアは7.0前後あります。ちなみにその馬の医者のIELTSのReadingの最高スコアは8.0らしく、もし彼に私ぐらいのボキャブラリーがあれば8.5は行くやろと豪語してました。。。
そう考えると、その国その国の教育ってやっぱりその国民の知的レベルに相当影響を及ぼしていますよね(当たり前ですが)・・・。あ、ちょっと余談ですが、噂には聞いてましたが、イギリスの小学生は計算がかなり弱いようです。。九九を覚えないので。。。よってうちの息子が学校で百マス計算をさせられた際に、普通に解き終えると周りの生徒からドン引きされたそうです。余談ついでにもう一つ。馬の医者曰く、中国では政府が人民の思想を統制すべく国語教育には相当気合を入れているらしく、大学受験時も文系・理系関係なく国語は必須だそうです。さすが社会主義の国ですな・・・。
それにしても、やはり侮れません、チャイニーズ・・・・。
最後に、私のクラスの中国人にしか聞いていないのでかなり限定されてはいますが、彼らのIELTS受験回数は1~3回が大半です。私のように6回受けたとか言うとまず間違いなくドン引きされます・・・(-_-;)つまり、彼らがそれ相応の傾向と対策をすれば、総じてもう少しスコアは上がるような気がするのはこのあたりにも理由があるわけです。
さて、Pre-sessional courseも最終コーナーに差し掛かり、最終試験に向けて少しずつピリピリ感も出てき始めました。因みに昨年は600名の受講生がいたそうですが、うち約60名が最終試験で不合格となったそうです。楽観的に考えれば上位9割に入ったらええんやろ?と思うのですが、友人曰く、10%というのは絶対に安心できる数値でもない、とのことで、なかなか色々と考えさせられます。因みに今年は900名の受講生が共に学んでいます。クラスも違う、名前も知らん、でも顔はよく合わせるので会えば挨拶したり軽口をたたくような仲間がうちのビルだけでもかなりいます。Pre-sessionalが終われば皆それぞれのマスターやPhdに進むのでバラバラにはなるのですが、それでも皆無事に合格して最終日には全員で乾杯したいな・・・と願わずにはいられない今日この頃です・・・(-_-;)。