当然ながら、こと英語に関してもこちらに来る前には知らんかったことなど山のようにあるわけです。

先日クラスメイトのフラットで夕食会をした際に、クラスメイトのジャパニーズイケメン君が、部屋を借りている大家さんの家庭では子供がdinnerという言葉を使うとsupperに言い直させていたという話をしてくれ軽い衝撃を受けたわけですが、理由を聞くとsupperという言葉の方がよりposhである、と。

私はこっちのテレビドラマを見るまで、poshという単語など知らなかったのですが、この単語はまさにイギリスが階級社会であることを示す一例ではなかろうか、と。「上流階級の」という意味を持つこの形容詞なのですが、イギリス人は今でも初対面の人と話す時に相手がどの階級に属するのかを無意識に感じているそうでして、そういう意味でも子を持つ親となると我が子の「話し言葉」に対して我々が考える以上により敏感なのかもしれません。(因みに、今ではposhという単語自体は褒め言葉ではないそうで、使う際にはちょっと注意が必要かも)

この話をブリストルの私立高校で校長をやってたクラスメイトに話すと、確かにdinnerは使わんな、と。。。理由はイートンなどのいわゆるエリートボーディングスクールでは夕食のことをsupperと呼ぶそうで、そのマネをしとるんとちゃうか?と。とは言うものの、イギリス児童の約7%ほどしかそういうボーディングスクールには通っとらんけどな、とのこと。あと、比較的イギリス南部の方がsupperが好まれる傾向にあるんとちゃうか?ということも付け加えてくれたわけですが、こんなことは日本で何年英語を勉強していても間違いなく入って来ん情報なわけです・・・(-_-;)。

もっと身近な例で言うと、ブリストルではthanksの代わりにcheersをよく使います。ブリストルに到着した当初、道を譲るとcheers、お釣りをもらう時にcheers、とりあえずcheers。やたらcheersを連発されて戸惑った覚えがあります。ま、これは日本語でもありますよね。関西だと「ありがとう」の代わりに「おーきに」みたいな・・・。

あと、もっと基本的なことを言うとアルファベットの発音。娘が家で何かの単語のスペルを私に説明する際に、エス・ヘイチ・オウ・ダブリューみたいなこと言いまして、一瞬フリーズした記憶があります。もともとアルファベットぐらいは日本でも発音できてたと思うので、小学校で皆がHをヘイチと発音するのを聞いてそうなったのであろう、と。試しに息子に聞いてみるとやはりヘイチと発音してました。。。ただ、これはイギリス英語が全てHをヘイチと発音するかというとそういう訳でもなさそうで、いわゆる訛りの一つになるのですかね。。。

他にも日常会話フレーズで言うと、What’s up?

これ、日本人で英会話フレーズを勉強しようとすると必ず目にするフレーズですよね?What’s up, men?みたいな。ただし、残念ながらここイギリスでは(今のところ)一度も耳にしたことも言われたこともありません・・・(-_-;)

イギリス人はHow are you?です。恐らくアメリカ英語がかなり流暢に話せるのであればスルーしてくれると思いますが、そうでなければこれをイギリス人に使うとどう感じるんやろか?とか考えるとなかなかオモロイわけです。「オマエ、ここイギリスやで。イ・ギ・リ・ス!」とか思われんのかな、と。ま、郷に言えれば郷に従えですよね。

もう一つ。日本の受験英語のオカシな点でもあるのですが、日本の英語教育は米語に基づいてなされているのですが、進学塾で使う英語のテキストにはたまにイギリス英語が登場したりします(問題なのはその紹介の仕方にあまり必然性というか一貫性がないということです・・・。単に小難しい知識を一つでも叩きこむというアレですかね・・・(-_-;))。例えば、シ○ウスという無闇やたらとハイレベルな文法&語彙を使用するテキストがあるのですが、このテキストの中1編の「時刻」の単元で、以下のような問題が出てきます。

問:次の2つの英文が同じ意味となるように空所に適語を入れなさい。
It is 6:15 o’clock now.
It is a (    )(    ) six now.

ま、塾に通ってない普通の中1生だと(というか中3生でも)まず答えられんでしょう・・・。

で、日本の塾で教えていた頃はなんでこないややこしい言い方をあえて教えんねん!?と自分で教えときながら内心突っ込みまくってたわけです。一つ目の英文で十分通じるし、分りやすいやん!と。

ところが、米語では1つ目の英文が標準なのですが、イギリス英語では2つ目の英文が普通に使われとるわけです。ある日、娘が家でOh, it’s already half past seven!とか言って、ひっくり返りそうになった記憶があります。でも確かにそう言われてみるとBBCでもよく時刻を伝える際にIt’s eleven minutes to eight thirty.とか言ってるな・・・と。そんなん、普通にIt’s eight nineteen.って言ったらええんとちゃうん?と思う私は、イギリス人から見たらアホかと思われるのでしょうが・・・。

今日はこのへんにしておきます。Let’s wrap it up for today!